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汎用型支援ロボット(015)
2017/07/23 13:08 | Comments(0) | 連載
季節が……あってない……(涙)。
以下連載。


【12月28日】

 今日は仕事納めであった。目まぐるしい一年だった。できるだけ、何も考えないように、仕事に打ち込んでいた。何かしているときは、変なことを考えなくてすむからよい。

「おかえりなさいませ、ジュン様」

 玄関のドアを開けると、ハルンがとたとたと出迎えてくれる。何も言わずカバンを差し出すと、受け取って、所定の位置に置いてくれる。

「ただいま」

 リビングに入る。コートを脱ぎ、スーツを脱ぎ、手渡すと、順番にハンガーにかけてくれる。部屋着のスウェットはリビングの目のつくところに置いてある。

 パソコン用の椅子に座り、ため息をつく。あっという間の一年だった。色々あった気がするが、取りあえず、今は何も浮かばない。

「何か、お飲み物を用意しましょうか?」
 クローゼットの整理を終えたハルンが、僕の座る横に立って声をかけてきた。
「ああ、そうしてくれ」
「では、ウイスキーの……ロックでよろしいでしょうか?」
「ああ」
 ウイスキー、と言ってからの若干の間は、恐らく、これまでの僕の傾向や、今の時間帯、僕の表情や体調の様子を確認し、現在家の中にあるより適切な飲み物から、より適切な飲み方を導き出したのだろう。
 正解率が、恐ろしく高い。
 あまりにも言い当てられるため、逆に、言われてから変えてみようかとも思ったが、そうしたデータも蓄積されてしまうことを考えると、素直によいと思ったものは、よいと言っておくべきだろう。ロボット相手にいじわるするというのもバカバカしいことだ。

【続く】

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