パン屋さんでの話だ。
タイムセールで、レジ前は長蛇の列。私の横にも商品が置いてある。
後ろの男の子(小学低学年くらい)=S「あのパンだよ」
S父「どれだよ」
S「人が並んでるから取れないんだよ。並びながら取るよ」
S父「だからどれだって言ってんだよ」
S「あの、ガーリックパン、130円の奴だよ」
S父「とってこい」
S「でも、人が……」
S父「いいから取って来い。お父さんがいるから」
Sくん、しぶしぶ私の横に無理やり入ってきて、手を一生懸命伸ばしてガーリックパンを取る。
――列が進み、レジの近くまで来た。
S父「空いたから、あっちのレジに行きなさい」
※レジは二つ。だが、一つの列で、順番に、空いた方の列にいく状態。そうすると、もし奥のレジが先に空くと、順番は私の番だけれども、Sくんがあちらのレジに行くと、仮に奥のレジが先に空くと、私の順番が飛ばされる。
S「ダメだよ、順番だよ」
S父「いいから行って来い」
S「ダメだってば」
俺「あんたね、子どもの方が常識あるってどういうこと? せっかく子どもがまともに育ってるのに、あんたの悪い教育のせいで、この子の道徳性がひんまがったらどうするつもりなの?」
――と言いかけて振り返ろうとしたら、手前のレジが空いて私の会計の番になった。
追記だが、「悪い教育」という言葉もおかしいと思う。教育なんてもんじゃないだろう。
追記だが、イートインスペースで、S君の父親は、「S、お父さんの分のお茶ももってこい」と命令していた。S君は、文句もいわず、黙ってお茶を用意しようとしていたが、その父親は、「返事しろよ」と怒鳴っていた。
――思うに、悲劇は、子どもは親を選べないことではないか。
――というのは一般に言われることだ。しかし、よく考えれば、親だけではない。自分の出自など選びようが無い。
タイムセールで、レジ前は長蛇の列。私の横にも商品が置いてある。
後ろの男の子(小学低学年くらい)=S「あのパンだよ」
S父「どれだよ」
S「人が並んでるから取れないんだよ。並びながら取るよ」
S父「だからどれだって言ってんだよ」
S「あの、ガーリックパン、130円の奴だよ」
S父「とってこい」
S「でも、人が……」
S父「いいから取って来い。お父さんがいるから」
Sくん、しぶしぶ私の横に無理やり入ってきて、手を一生懸命伸ばしてガーリックパンを取る。
――列が進み、レジの近くまで来た。
S父「空いたから、あっちのレジに行きなさい」
※レジは二つ。だが、一つの列で、順番に、空いた方の列にいく状態。そうすると、もし奥のレジが先に空くと、順番は私の番だけれども、Sくんがあちらのレジに行くと、仮に奥のレジが先に空くと、私の順番が飛ばされる。
S「ダメだよ、順番だよ」
S父「いいから行って来い」
S「ダメだってば」
俺「あんたね、子どもの方が常識あるってどういうこと? せっかく子どもがまともに育ってるのに、あんたの悪い教育のせいで、この子の道徳性がひんまがったらどうするつもりなの?」
――と言いかけて振り返ろうとしたら、手前のレジが空いて私の会計の番になった。
追記だが、「悪い教育」という言葉もおかしいと思う。教育なんてもんじゃないだろう。
追記だが、イートインスペースで、S君の父親は、「S、お父さんの分のお茶ももってこい」と命令していた。S君は、文句もいわず、黙ってお茶を用意しようとしていたが、その父親は、「返事しろよ」と怒鳴っていた。
――思うに、悲劇は、子どもは親を選べないことではないか。
――というのは一般に言われることだ。しかし、よく考えれば、親だけではない。自分の出自など選びようが無い。
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