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汎用型支援ロボット(010)
2017/06/06 12:00 | Comments(0) | 連載
じゃあ、ロボットとアンドロイドの違いは何だろうか? ロボットは、自律して動く機械である。自律というのは、人工知能みたいに、「考えて動く」ことではなく、ベルトコンベアーで流れる食品を自動でラッピングする機械も、ロボットといってよい。お掃除ロボット「ルンバ」は、掃除を自動でしてくれるロボットだ。つまり、ロボットというと、人型をしている必要は無いのだ。
人型をしていて、自律して動けば、アンドロイド、またはヒューマノイドになる。

以下、連載。


【12月24日】
 
 僕とアンドロイドの、二人(?)暮らしが始まった。世間様はクリスマス・イブ。外には銀雪がちらちらと舞っている。出かける予定のない僕は、エアコンの暖房をがんがんかけた部屋で、アンドロイドの諸設定を行っていた。
 初め、人型ロボットの実用化は、医療や介護、接客などに特化した仕様で、医療施設や企業において多く採用されていた。
 それが、2027年に発売された、家庭向けの汎用型支援ロボット「HRN-9800 home edition」は、インターネットの普及の一躍を担ったWindows95の発売を思わせるように爆発的に広まった。
 これまでも漸次、家庭用のロボットが開発され、市場に出回るようになっていたが、2010年代、人工知能のディープラーニングという、表現特徴学習の技術が生まれてからの進歩は目まぐるしかった。
 人工知能の研究は、1960年代から行われていたが、知識を教え込むためのコストがかさみ、結局は、インプットされたことの範囲で人間らしく振舞うことしかできなかった。
 
 その点、98シリーズは、人間のニューラルネットワークを模倣した構造をもち、既に獲得してある情報をもとに、新たな情報を「解釈」し、新しい概念を導くことができるという。
 そのことは、まるで、本当に人間が成長しているように感じられるのだという。コマーシャルのキャッチフレーズは、「一家に一台ではなく、一家に一人!」。
 まぁ、これらも全部、多路須さんの受け売りだ。
 元々僕は、歴史とか技術革新の話が好きだったから、彼の話にも興味をもった。でも普通は営業活動で、そんな顧客の利益にならないようなことを延々と語っても、上手くいくとは思えない。アンドロイドは何ができて、購入するとこんなに便利になるとか、そういった利点を中心に話しをした方が、よほど購買意欲を煽ることだろう。
 逆に、そういったモノを売りつけようという感じがなくて、彼に好感をもったのは確かだけれど。

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